仕事と会社は、どのくらいの期間経験すれば本質がわかるのか?
仕事の本質を知るためにどのくらいの時間が必要なのか?
よくあるのが、「たった3か月やったくらいで何がわかるのか?」という文脈を無視した気味の悪い問いだ。
逆に聞きたいのだが、では一体どれくらい経験すれば仕事を語ってよいのだろう。それを決める根拠は何なのだろう?
3年と応える人に聞きたい。なぜ3年?
それって3(さん)という語感やリズムで決めてない?
4になることは絶対にない。だって語感が悪いし、何より日本においては不吉な数字だから。「石の上にも3年」ということわざに真実はなく、そこにあるのは語感とリズムだけ。
日本語は普段の会話において抑揚がなくリズムに乏しいので、ちょっと語感のいい言葉や音の響きに惑わされてしまう。語感とリズムの乗った言葉を真実と錯覚してしまうのだ。
石の上にも3年ということわざは、経験則で言わせてもらうと頭の弱い人、自分で論理思考の出来ない人が信じ易いエセ金言(きんげん)である。
結局私が言いたいのは、仕事の本質を見極めるのに必要な期間は、
「職種・業種・企業規模」で異なるということだ。
社員10人程度の小売り業であれば1週間で実態はわかる。
対して1万人規模の東証一部上場総合商社やメーカーの総合職であれば、数か月から数年かけさまざまな部署を経験を積むことを考慮すれば3年程度は必要だろう。
社員100人程度の印刷業や不動産業であれば半年もあれば十分だ。
上記の意見はすべてフルタイムの正社員についてである。
もしこれが50人にも満たない個人経営の会社で、週3程度の小売りや運送、事務のアルバイトならば1か月で全てが分かるだろう。
警備員なんて1週間でみんなプロになれる。
過ごした時間の濃さが何より重要だよ
仕事の本質を知るために大事なものは経験期間ではなく、過ごした時間の密度・濃さであると私は思う。
だらだら空費した時間には何の価値もないだろう。正社員であればちょっとさぼったくらいではクビにはならないため、仕事に手を抜くことができる。その時間はその仕事を経験したと言えるだろうか?本気で取り組む時間だけが尊いと思う。
たった単純肉体労働の1か月のアルバイトでも、本気で取り組めば本質は見抜くことができる。
正社員で5年は働いたという主張に価値は無い。その中でどれほど一生懸命取り組んだか、それだけが大切だ。形式でなく本質を見よう。
日本文化は概して形式主義だが、そろそろ国際化に合わせ柔軟な思考を身に付けよう。